市場から求められたアプライアンス化に対する課題を克服、新たな市場を切り開く低消費電力・省スペースサーバー「Edge Beagle XG」

Linuxを中核としたサーバーサイドテクノロジーによって、サーバーマネジメントやメッセージソリューションなど幅広い事業を展開している株式会社HDE。特に、大規模メール配信システムなど上流から下流までを包括するメール関連アプリケーションでは豊富な導入実績を誇っており、企業の重要な情報伝達手段として欠かすことのできないコミュニケーションプラットフォームを強力に下支えしている。そんな同社の顧客からの強い要望として挙がっていたのが、運用コスト削減に貢献するメールセキュリティのアプライアンス製品だった。そのハードウェア一体型製品の基盤となるサーバーとして選ばれたのが、株式会社エーティーワークス(以下ATW)の省スペース省電力1/4Uサーバー「Edge Beagle XG」だ。

顧客及び販売チャネル双方から求められたアプライアンス化

同社が製品開発をする上で重視するのは、第一に製品を利用している顧客の声だ。毎年アンケートを実施し、バージョンアップの要望や提供形態など顧客の声を製品開発に活かしている。「このアンケートに寄せられた顧客の声で多かったものに、ハードウェア一体型によるメールセキュリティアプライアンスがありました。」と語るのはプロダクト本部 マーケティング部の山本 有哉部長。実は、同社の販売チャネルからも、手離れのよい箱モノ製品を希望する声が増えていたと語る。昨今ではハードウェアの単価も下落傾向にあることから、顧客ニーズと販売チャネル双方からの要望も踏まえた上でアプライアンス化が検討された。同時に、マーケット規模からみても、メールセキュリティに関してはソフトウェアよりもハード一体型製品のほうが10倍程度の市場規模がある。今後売り上げを拡大する上でも、アプライアンス化は戦略上避けては通れないものだったのだ。

サポートの不安を払拭!顧客対応力の柔軟性を高く評価

かつては複数のソフトウェアを同梱させてハードウェアと一緒に提供した経験もあった同社だが、特定のソフトウェアをアプライアンスとして製品化するのはほぼ初めてといっても過言ではない。「これまでもアプライアンス化の構想が持ち上がることは何度もありましたが、ハードウェアのサポートまで含めると二の足を踏む場面も多かったのです。」と同部の船ヶ山 慶プロダクトマネージャー。

そんな折、低消費電力を実現するインテル製CPU「Atom」が搭載されたネットブックが市場を賑わすなど低価格なハードウェアが続々と登場し、同社としても製品を試す機会を模索していた。また、同社が新たに仮想化ソフトウェアを手掛けたこともあり、ハードウェアとソフトウェアの切り離しも容易になってきたという外部要因もアプライアンス化を加速させる要因だったという。そんな中で目に留まったのが、ATWが提供しているAtom搭載のEdge Beagle XGだったのだ。もともとATWの関連会社でホスティングサービス“at+link”を提供している株式会社リンクと10年前から取引があり、サーバーの評判は聞き及んでいたという。「実際に評価機をお借りして性能評価を行ったところ、当社が考える運用にも十分耐えうることがわかりました。」と船ヶ山マネージャー。

そこで、他のベンダも含めて複数のサーバー製品を実際に評価してみたところ、性能はもちろんのこと、価格や筐体サイズ、対応面、保守サポートの面で同社が要求する仕様を満たしたのがATWだった。「価格面では他社と比べると半値程度。必要な評価機の貸し出しも迅速で、顧客対応力の面でも高く評価できる内容でした。」また、当初から不安視されていたハードウェアの保守部分についても、「先出しセンドバック対応を当社が求めるサポート費用内で対応していただけたのです。」と山本部長。ハードウェアを取り扱う上での不安要素が払拭できたことで、同社の新たな武器となるメールセキュリティアプライアンス製品が誕生することになる。

ビジネスに歩調を合わせてくれる!高い信頼性と魅力的な筐体サイズで優位性を確保

 同社のメールセキュリティアプライアンス「tapirus」は、業界最安値の価格で迷惑メール対策を実施することができ、ウィルス対策機能も商用製品を活用。特に、日本独自で開発された迷惑メール対策機能のため、日本語に強いという特徴がある。この tapirus を支えるサーバーにEdge Beagle XGが採用されているが、同サーバーの特徴でもある1/4サイズの筐体が営業場面でも大いに活かされているという。「筐体サイズが小さいので、営業マンが顧客に直接持っていくこともできます。」と船ヶ山マネージャー。通信事業者をターゲットにすることも想定されており、価格面のみならず、筐体サイズでも競合製品との優位性を打ち出しやすいと評価も上々だ。

また、同社はLinux上で動作するアプリケーションであるため、サポート範囲も重要なポイントとなる。「商用Linuxしかサポートしてくれないベンダが多い中、CentOSまで含めてサポートいただけるのは大きい。」と船ヶ山マネージャー。さらに、サーバー周りで必要となるケーブル類など、必要な付属品をすぐに手配してくれるなど、営業的な対応力の高さにも満足していると山本部長。「新たなビジネスはスモールスタートが基本ですが、ある程度ロットがまとまらないと話に応じてもらえないベンダがほとんど。しかし、ATWは我々のビジネス規模に歩調を合わせてくれたのです。営業的な柔軟性は他社にはない強みですね。」

ハードウェアの信頼性を担保するための出荷前確認についても、その精度の高さに驚きを隠せない。「出荷前に行ったチェックシートを頂いていますが、標準の検査項目だけでも50項目以上。他にも詳細に事前確認をしていただけており、当社が不慣れなハードウェア部分のサポートをバックアップしてくれます。」CPUなどパーツごとの検査だけでなく、特定のプログラムを走らせるなど顧客の要望に応じたチェックも行う徹底ぶりだ。さらに、製品に同梱するハードウェア取扱説明書の記載内容についてもノウハウを提供するなど、同社のビジネスをあらゆる面で手助けする姿勢も評価ポイントに挙げている。

顧客に応じたスケールアップと他製品への水平展開を視野に

 現在は、Edge Beagle XGをアプライアンス製品の基盤として活用している同社だが、顧客に応じた柔軟なスケールアップを検討しているという。「冗長化対応できるサーバーなど製品ラインナップが豊富なため、顧客の規模や構成に応じてサーバーを柔軟に選択できるというのはありがたい。」と山本部長。同社が描くロードマップにも対応できるパートナーとして、ATWを高く評価している。また、サーバー監視のアプライアンスなどメールセキュリティアプライアンス以外の製品にも水平展開できる可能性を示唆する。「他にもアプライアンスとして製品化する機能があれば、ATWのサーバーを活用していきたい。」同時に、多くの通信事業者を顧客に持つATWとビジネスパートナーとしての関係を今後も続けていきたいと今後の展望を語っていただいた。

株式会社HDE

所在地
東京都渋谷区南平台町16番28号グラスシティ渋谷11階
代表者
代表取締役社長 小椋 一宏
事業内容
サーバー管理やセキュリティ、メッセージングプラットフォームなど、Liunxを中核にしたサーバーサイドテクノロジーを駆使し、サーバーマネジメント事業やセキュリティ事業、メッセージングプラットフォーム事業を展開。
URL
http://www.hde.co.jp/