遠隔地からの柔軟な運用でダウンタイムを最小限に! FreeBSDにも対応した省スペース省電力サーバー「Quad Beagle XG」
グローバル固定IPアドレスを活用したいと考えるスキルの高いユーザーをターゲットに、高度な技術力を駆使したISP事業を展開している株式会社インターリンク。セキュアなモバイル接続環境の整備やWebサーバーなどを構築するために必要不可欠なグローバル固定IPアドレスの払い出しを中心に、インターネットに精通している個人から大企業に至る幅広い顧客に各種サービスを提供している。そんな同社が展開しているグローバル固定IPアドレス付加サービスの基盤に、株式会社エーティーワークス(以下ATW)が提供する省スペース省電力1/4Uサーバー「Quad Beagle XG」及び1/2Uショートレングスサーバー「radserv ZX」が採用され、同社のビジネスを強力に下支えしている。
新たな時代に即したインフラへの刷新を希求
NTTが提供するフレッツ接続サービスにグローバル固定IPアドレスを付加する「フレッツ接続ZOOT NEXT」を中心に、ドメインの種類では国内でも最大規模のラインナップを誇るドメイン取得サービスやクラウド形式で手軽に活用できるFAQシステム、低価格かつ柔軟性の高いレンタルサーバー事業など、ISP事業者として様々なサービスを展開している同社。ユーザーから「社歌作曲コンテスト」や「オタク川柳」を募集するなど、同社を知ってもらうイベントにも力を入れており、秋葉原を中心とした在野の専門家、いわゆる技術的に詳しい”オタク”層から多くの支持を集めている。
そんな同社が提供するサービスの一つに、VPN接続によってキャリアフリーでグローバル固定IPアドレスが利用できる「マイIPサービス」があるが、同社が用意したVPNサーバーと連携することで、どの通信事業者と契約していてもグローバル固定IPアドレスが利用できるようになる。そのため、多くのユーザーから利用されており、ビジネスは現在でも順調に推移しているという。ただ、このVPNサーバーは数年前に導入した1Uタイプのものだったこともあり、ビジネスの規模拡大に合わせて新たにリプレイスを検討することになったと技術部 栢森 貴志氏は語る。「最初に導入したサーバーは、仕様的に更新が必要な時期となっており、かつ消費電力が余計にかかっていました。堅調に契約数が伸びていたこともあり、新たな時代に即した環境に入れ替えようと考えたのです。」と当時を振り返る。
ダウンタイムを最小限に抑える!FreeBSD対応が必須の条件に
新たなサーバーを検討する際に重視したのは、万一のサービス停止時にもダウンタイムを最小限に抑えられる仕組みだった。「以前の仕組みでは、障害発生時にはサーバーの設置場所まで移動して状況を把握し、復旧のための電源オフオンをその場で行う必要がありました。作業的にも半日あまりを要しており、運用的な課題が顕在化していたのです。」また、ラックスペースを効率的に利用するためにも、可能な限り省スペースなモデルで、省電力に貢献できるサーバーが必要だったという。
そこで、展示会などに足を運びながら製品を選定していった栢森氏。その過程で目に留まったのが、真っ赤な筐体で従来のわずか1/4のスペースしかないATWの省スペース省電力1/4Uサーバー「Quad Beagle」だった。「インパクトのある筐体の色もそうですが、わずか1/4という省スペース設計には驚きました。我々が求めるパフォーマンスにも十分耐えられるスペックだったのです。」特に、IPMI対応のためにリモートからの電源オフオンが可能になるだけでなく、遠隔地から管理コンソールが操作できるという利便性の高さを評価した栢森氏。もちろん、他社にも省スペースなサーバーは存在していたというが、ある程度の台数をまとめて購入しなければならず、コスト的な制約もあったという。「ビジネス展開に応じて柔軟に購入できるという面でも、大きく評価したポイントです。」
また、同社のサービスで使われているVPNサーバーはFreeBSDで動作しており、ユーザー登録や課金システムなどバックエンドの仕組みとの連携を検証する必要があった。「そもそも最新版のFreeBSDが動作するサーバーであることが必須の条件だった部分もあります。Quad BeagleであればFreeBSDに対応しているだけでなく、技術的なサポートも十分に受けることができました。」実際には、検証機を4週間ほど借り受け、パフォーマンスや動作確認をしっかりと行った後、全面的にインフラを刷新していったという。
iPhone経由でサーバーの電源をオフオン!遠隔地からの柔軟な運用管理を実現
現在は、「マイIPサービス」で利用しているVPNサーバー用にQuad Beagle XGが導入されており、検証及び予備機も含めて複数台が同社のインフラを支えている。また、複数のグローバル固定IPアドレスが利用できる「マイIPソフトイーサ版」には、ATWの1/2Uショートレングスサーバー「radserv ZX」が採用されている。
インフラのダウンサイジングに成功した同社だが、なかでも遠隔地から操作できるという運用管理面での評価が高い。「サーバーが設置されたデータセンタに行くのは初期の設置のみ。設置さえしてしまえば、あとはオフィスから柔軟に運用管理できるようになりました。」また、電力使用量も以前に比べて全体でおよそ半分近くにまで節電することができるようになったと栢森氏は評価する。集積率を高めることで電源インターフェースも簡素化でき、最小限の電源タップだけをデータセンタから借り受けて運用できるようになったという。
さらに、サーバーにコマンドを流し込むためのインターフェースをATWから開示してもらい、iPhone経由でサーバーの電源オフオンを可能にするアプリケーションを自社開発している同社。「以前は障害発生時から復旧まで半日あまりを要していましたが、今ではわずか数分で電源のオフオンが可能です。しかも、iPhone経由でできるようになったことで、どこにいてもサーバー復旧が容易になりました。ダウンタイムが大幅に削減することができたのです。」と驚きを隠せない。
他にも、同社の「マイIPサービス」は、VPNサーバーからグローバル固定IPアドレスを払い出すサービスのため、ネットワークのパフォーマンスは重要なポイントになる。ギガビットイーサネット標準対応のQuad Beagleであれば、満足のいくパフォーマンスが得られているという。「パフォーマンスもさることながら、ネットワークインターフェースカード(NIC)が標準で3つ用意されています。運用に応じてネットワークを分けたいときでも柔軟に行うことができるようになりました。」と栢森氏は満足げだ。
新たなサービスにも展開を検討
今後について栢森氏は、「マイIPサービス」の増設用サーバーとしてはもちろん、新しいサービスを展開する中でも積極的に活用していきたいと語る。「NICの多さはもちろんのこと、CPUやメモリの柔軟性、リモートから操作できるインターフェースなど、当社に必要な機能を兼ね備えたATWを今後も使っていきたいと考えています。」Quad Beagleの後継機種にも期待を寄せており、今後も幅広くATW製品を利用していきたいと抱負を語っていただいた。