成長を鈍化させない最適なリードタイムと充実のサポートが魅力
将来を見据えた
ハイパフォーマンス1Uラック型サーバー「A-RX200」
日本で最大規模となるイラストを通じたコミュニケーションサイト「pixiv」を運営しているピクシブ株式会社。他にも、電子コミックを提供するサービスや手描きで繋がるコミュニケーションサービスなど「お絵描きがもっと楽しくなる」というコンセプトに基づいたWebサービスやアプリ、イベントや書籍・グッズの企画・制作を行っている。そんな同社が提供する各種サービスを実装するための基盤の一部に、株式会社エーティーワークス(以下ATW)が提供するハイパフォーマンス1Uラック型サーバー「A-RX200」が採用され、将来の拡張性を見据えたビジネス基盤の一翼を担っている。
機器手配の遅れが成長スピードを鈍化させる要因に
2007年にイラストを通じたコミュニケーションサイトを開始し、現在は700万を超える会員数を誇る巨大なコミュニケーションサービスとなった「pixiv」。イラストの投稿数は1日3万件あまり、1日で1億ページビューを超えるまでに成長しており、日本のみならず中国や韓国などアジア圏を中心に、グローバルなサービスとして日々拡大を続けている。このpixivを運営しているピクシブ株式会社では、電子コミックを無料で読むことが可能な「pixivコミック」やコスプレ専門のSNSサービス「Cure」など様々なサービスも提供しており、「世界に通用するWebサービスを作る」ことを念頭に多彩なサービスを展開している。
そんな同社では、増え続けるトラフィックへの対策や付随するサービスの機能拡張に向けてサーバーやネットワークリソースを増強し続けているが、これまで利用してきたサーバーの手配におよそ2ヶ月余りを要してしまうなど、同社のビジネススピードに対応できないことが課題として顕在化していたと執行役員 店本 哲也氏は当時を振り返る。「以前は自社に自作のサーバーを設置していましたが、急激な会員数の伸びにネットワークトラフィックが限界を迎え、さらに震災など災害対策を考慮する中でデータセンターへの移管を推進してきました。しかし、海外ベンダのサーバーを利用していたことで機器の手配に遅れが出ることで本来やるべき業務に支障が出るなど、成長のスピードを鈍化させてしまう結果を招いていたのです」。
そんな中、新たなサービスのリリースに合わせて、サーバーを増設することが計画された。そこで、同社の求めるビジネススピードに対応できるサーバーを求めて、新たなインフラを検討することになったのだ。
“いい意味で”期待を裏切る対応力と高い信頼性が大きなポイントに
新たなインフラを検討する過程で同社が念頭に置いたのは、迅速かつ必要なタイミングに納品できるリードタイムはもちろん、高い信頼性を持ったサーバーだったと店本氏。「将来的な事業拡大を見越して、拡張性が十分確保できる福島の白河にあるデータセンターを選択しました。ただ、都内のデータセンターとは異なり、何か問題があったときにすぐに駆けつけることができない距離。だからこそ、故障しにくい信頼性の高いものが必要だったのです」。実は、これまで利用してきたサーバーが原因不明でリブートするなど信頼性に課題を抱えていたこともあり、信頼性は同社にとっても大きなポイントだった。
また、これまで自作によるサーバー構築のノウハウを持っている同社では、CPUやメモリ、HDDなど自社でキッティングを行い、自らテストを行って環境を構築してきた経緯がある。しかし「少ない人数でキッティングからテストまでの環境整備を行うのは多くの時間がかかってしまうもの。障害を最小限に抑えるためにも、できればアウトソースしたいと考えていました」と店本氏。
そこでサーバーベンダ5社に声をかけたところ、同社の期待を“いい意味で”裏切る対応を行ったのがATWだった。「我々はコストを抑えるためにメモリやHDDなどパーツごとに指定して購入します。そうすることで、例えば安価なメモリを大量に搭載して高いパフォーマンスを発揮するサーバーを作り上げているのです。ただ、一般的にはパーツのサポート対象が限られており、事務的な対応しかしていただけないベンダばかり。そんな中、ATWは指定したものを実際に取り寄せた上でキッティングし、検証テストまでしっかり行ってくれたのです。明らかに対応の質が他社とは異なっていました」。しっかり検証された上で、他ベンダの正規のコストに比べて圧倒的なコスト差でサーバーを調達することができたと語るのはエンジニアの道井 俊介氏だ。
納期に関しても、同社が求める明確な答えを回答したのがATWだった。「一般的には2ヶ月程度かかるという漠然とした回答しか得られません。納期にあわせて人員の配置や出張の段取りを立てるなど、業務の進め方が決まってきます。たとえ2ヶ月かかるとしても、この日に届くという明確な答えが欲しいのです。ATWは届く期日を明確に回答していただけました。その点も大きな安心に繋がったのです」(店本氏)。 充実した対応が高く評価され、新たな機能拡充に向けた強固なインフラとしてATWのハイパフォーマンス1Uラック型サーバー「A-RX200」が採用されることになる。
高度な管理機能と充実のサポートで同社のビジネスを強力にバックアップ
2013年4月にIDCフロンティアの白河データセンターに「A-RX200」が40台導入され、同社が目指す新機能のインフラとして活用されている。また、その1ヶ月後に東京のデータセンターにも5台が追加され、同社のインフラを強固に下支えしている状況だ。
同社では、同じスペックの1Uサーバーを数多く搭載していくという考え方のもと、拡張性の高いA-RX200が選択されている。「今回必要だったのは、CPUのコア数よりもメモリが大量に搭載できる1Uサーバーでした。A-RX200であれば、メモリが24スロット搭載可能となっており、現在は8つの8GBメモリを搭載しています。将来は16GB×24スロットまで拡張できるようになっており、将来も見据えた構成となっています」と道井氏。今回調達したサーバーは、データベースや画像サーバーとして快適なレスポンスを目指した結果、メモリ部分にポイントを絞った構成となっている。
A-RX200については「管理機能がしっかりしているため、電源の制御やBIOSのアップデートなどもリモートから簡単に行うことができています」と道井氏は高く評価している。また、今回評価されていたのが、ハードディスクを搭載するためのベイが拡張用のものも含めて納品されていたことだ。「一般的には、HDDが1つなら1つのベイしか用意されません。しかしATWでは、最初からスペックアップすることを考慮した状態で納品していただけたため、ベイだけ後から追加で購入することもありません。ユーザのことをしっかり考えていただいていることは大変ありがたい」と店本氏は評価する。
なお、今回は納期がわずか1ヶ月と厳しいスケジュールだったため、自社での検証スケジュールが確保できない状況だったものの、「指定したメモリやHDDの調達からキッティング、そして検証テストまですべてATWのほうで行っていただきました。正直他社と対応のレベルが違いすぎます」と道井氏は驚きを隠せない。
ビジネスパートナーとしての手厚いサポートに今後も期待
今回の構成で将来的な拡張も見据えた環境が整備できた同社だが、今後の展望については「スペックの違いによって、例えばチューニングが変わってきたりとか、設定ファイルを分けたりするなど、運用の煩雑さに繋がる部分もあります。管理コストのことも考慮すると、なるべく統一したい」と店本氏は語る。ただ、これまで自作でサーバーを構築してきたこともあり、新しいものが出ると試したいという欲求は常にあるとのことで、その都度最適なものを考えていきたいと店本氏。また、同社では画像を数多く取り扱っているサービスのため、バックアップ用のサーバーには大容量のストレージが今後必要になってくると道井氏。「3.5インチのHDDなども検討したいと考えていますが、様々なラインナップを備えているという点も高く評価できるポイントです」。
実は、今回導入の際に緊急の対応が必要になったことがあったというが、休日にもかかわらず富山にあるATWの工場で機材を受け取り、現場へ直接届けるために福島まで出向いたという経緯がある。「他のベンダだったらここまでやってくれることはまずありません。ここまで手厚くサポートしてくれるATWとは、今後も長くお付き合いしてきたいと考えています」とビジネスパートナーとしてのATWに店本氏は今後も期待を寄せている。
ピクシブ株式会社
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-23-5
JPR千駄ヶ谷ビル5F
代表者
代表取締役社長 片桐孝憲
事業内容
日本で最大規模となるイラストを通じたコミュニケーションサイト「pixiv」をはじめ、電子コミックを無料で読むことが可能な「pixivコミック」やコスプレ専門のSNSサービス「Cure」など様々なサービスも提供。
URL
http://www.pixiv.co.jp/